studio Bloom Room　改装工事

写真スタジオ兼オフィスの改装工事である。

​施主は既にスタジオ利用されていた場所を居抜きに近い形で譲り受け、これまで使用していたが、昨今の働き方の変化等を踏まえ、場所の使い方を再考したいとのご要望であった。

既に長年利用されていることもあり、本計画では機能的な部分には手を加えずに、場所の使い方に変化をもたらすことを目指し、床と一面の壁のみを改装範囲とした。改装に当たり、施主にこれまでの利用時間や用途、働き方、これからの希望等をヒアリングする中で、仕事の特性もありスタジオ利用時以外は半ば倉庫として使われていた場所を、改めて人が集まること、制作すること、撮影に幅を持たせる場所とすることを目指した。

高天井ゆえ漠然としていた場のスケール感を調整するために、床を木とモルタルの2つ場所に区分け、マテリアル違いで場を再構成することを意図した。一方で室の一体感を損なわぬように既存ガラスブロック壁面からの光やスポット照明の光を考慮し、床に光の跡が広がるよう共に光沢感ある仕様としている。新たに設けた壁面には古材を用い、側面からの光を和らげる背景としている。

今回の小さな改装工事は場の使い方に気を向ける小さなきっかけづくりであり、今後施主自身がスタジオとして手を加えて、場所が少しづつ変容していくことを今から楽しみにしている。